【モリサワパスポート入門】インストールするフォントの選び方

デザイナーの必需品と言えるモリサワパスポート。
購入すると自分でフォントを選択してインストールする必要があります。
その際、わからない項目や用語が沢山あって迷うことがないでしょうか。
「Open Type/New CID」とは?、「A-OTF/G-OTF/U-OTF」とは?、「かな書体/学参書体/UD書体」とは?
同じ書体名の後ろについてる「Std/Pro/Pr5/Pr6」、「Pro/ProN」の違いは??
などなど。
予備知識がないとどれをインストールすべきか判断が難しいポイントが少なくありません。
そんな方向けに各項目、各用語について説明していきたいと思います。
それぞれ詳しい解説はしていませんが、ザッと一読すれば「モリサワパスポートってこんなものなのか。自分はこれをインストールしたら良さそう」とわかる内容になっていると思います。
① 日本語・多言語
「Fontinstaller」は上の項目から絞っていく形なので、上から順に説明していきます。
最初は「日本語」か「多言語」を選択。「日本語」は説明不要なので省略。
多言語
日本語と一部欧文書体以外のフォントです。
欧文フォント(ラテン文字)・中国語の繁体字フォント/簡体字フォント、韓国語フォント(ハングル)、キリル文字、ギリシア文字、アルメニア文字、アラビア文字、デーヴァナーガリー/グジャラーティ文字(インド)などがあります。
Font Bureauの欧文フォントは普通に使いやすそうなものが多く、特に「FB Miller Display」は個人的に好きです。
モリサワの「ClearTone SG」は新ゴと合わせた使用を目的に設計された欧文書体。
ウェイトも新ゴに合わせて8ウェイトあるので、実用性があると思います。
それ以外は基本使用する機会はなさそうですね。
② 選択
『デフォルト』は主に選択される項目があらかじめ選択されている状態で、その他も項目名通りです。
- デフォルト選択
- 2016年新書体選択
- 任意選択
- 全書体選択
③ フォントベンダー
以下は、「日本語」を選択した状態での項目についての説明です。
フォントベンダーとはフォントの開発や製品やそのライセンスを販売している企業のことで、フォントメーカーとも言います。
モリサワパスポートではモリサワだけでなく、4つのフォントベンダーのフォントが使用できます。
- モリサワ
- ヒラギノ(大日本スクリーン製造)
- タイプバンク(旧リュービフォント)
- 昭和書体
モリサワ
約500書体。
一部を除き、フォントメニュー名の前に「A-OTF」がついています。
「A-OTF」はOpen Type対応のフォント、「G-OTF」は「学参フォント」、「U-OTF」は「U-PRESS」対応のフォントです。
(それぞれの用語については後述)
ヒラギノ
大日本スクリーン製造のヒラギノを始めとした約150書体。
ヒラギノはadobeのアプリにもバンドルされていますが、ウェイトが2つ。
モリサワパスポートではウェイトが明朝・ゴシックそれぞれ7つ含まれていて、「ヒラギノ角ゴオールド」や明朝・ゴシック・丸ゴシックそれぞれの『UD書体』も使用できます。
タイプバンク(旧リュービフォント)
本明朝、ナウ、タイポスや(本明朝-Book用の)欧文書体Baskerville、Bodoniなど約150書体。
一部を除き、フォントメニュー名の前にメーカー名の「TB」か「Ro」がついています。
昭和書体
4つのデザイン書体と1つの筆書体の計5書体。
④ フォントフォーマット
フォントフォーマットとは「使用目的に合わせて取り決められたフォントの仕組みの種類」。
フォーマットによって収録文字数や「文字詰め情報の有無」や「対応OS」などの仕様が異なります。
和文での主なフォーマットは「OCF」「True Type」「CID」「OpenType」の4つで、モリサワパスポートに含まれているのは次の2つ。
- Open Type
- NewCID
どちらを選択するかですが、「MFD」にも「最新DTP環境で仕様することを前提とした場合はOpenTypeがベスト」とあるので、特に都度考える必要はないでしょう。
(「MFD」はモリサワパスポートに付属しているフォントにまつわる辞書。「MORISAWA FONT DICTIONARY」の略)
フォントも見た限りCIDだけのものがあるわけでなく、OpenType、CIDそれぞれの同じフォントがあるのであえてCIDを選ぶ理由はなさそうです。
(「A-OTF リュウミン」「A-CID リュウミン」など)
「デフォルト選択」でもOpen Typeにだけチェックが入ってます。
⑤ー1 言語・文字カテゴリ ー書体の種類について
ここからインストールしたいフォントを絞っていく作業です。
「書体の種類」や「準拠している規格(Std/Pro)」、「ウェイト(L / W1)」といった各要素を見て選択していきます。
パッと見では違いがわかりづらいので、どれをインストールしたらいいか判断できるよう説明をしていきたいと思います。
まずは「書体の種類」について。
モリサワパスポートでは20のカテゴリーがあります。
(1) 明朝体
縦画が太く横画が細い特徴を持った書体。各線に「はらい」「うろこ」「はね」などの抑揚が表現されています。欧文でのセリフ体。
(2) ゴシック体
すべての線や点画がほぼ同じ大きさを持った書体。欧文でのサンセリフ体。
(3) 丸ゴシック体
ゴシック体の角を丸めた柔らかく優しい印象の書体。
(4) デザイン書体
モリサワの「フォント用語集」からの引用です。
明朝体とゴシック体の両方の特徴を持つ書体や、はっきりとしたイメージを打ち出した書体、デザイン的に工夫された書体、微妙なニュアンスを表現した書体など、さまざまな表情の書体がデザインされています。
(5) 装飾書体
最初は「デザイン書体」とどう違うのかと疑問でした。
元の書体をあらかじめエンボス(立体)加工、アウトライン処理をした書体になります。
元の書体は「新ゴ」や「丸ゴ」で、書体は「シャドウ」「エンボス」の違いで計8書体。ウェイトの違いはありません。
チラシなどでよく見る表現ですね。
文字の加工が必要なデザイナーの負担を軽減するために開発された書体だそうです。
(6) 筆書体
漢字の祖国、中国では、長い書の伝統の中からさまざまな書が生まれました。代表的なものに「篆書」「隷書」「行書」「草書」「楷書」があります。これらの書(書体)を印刷のうえでも表現するために、さまざまな筆書系の書体が作られてきました。
また、日本で江戸時代の町民文化から生まれた「勘亭流」や「寄席文字」「髭文字」などの伝統的な筆文字、明治の初めに使われ始めた「教科書体」など文化や社会の流れの中から生まれた筆書体があります。
「篆書」「隷書」「行書」「草書」「楷書」について補足。
- 「篆書(てんしょ)体」
- 主に石に彫られた書体で、絵文字のような要素も残っている。
- 「隷書(れいしょ)体」
- 篆書体を簡素化した書体。縦につぶれた平体のような印象がある。
- 「行書体」
- 隷書体が変化した書体。
- 「草書体」
- 隷書体が変化した書体。行書体よりも個性的で筆使いの流れが強い。
- 「楷書体」
- 隷書体が変化した書体。点画を続けたり、省略したりせず、一画一画がはっきりしている。
(7) 新聞書体
毎日新聞社が新聞本組用、見出し用に開発した書体です。
情報を多く伝えるために、扁平(へんぺい)にすることを前提に設計されています。
入力時に扁平になっているわけではなく、見本は垂直比率を86%にしたものです。
(8-12) かな書体
標準の書体と合わせて用いることを前提に設計された仮名のみの書体です。
漢字まで含めると開発に時間がかかるので、かなのバリエーションを増やすことで表現の幅を広げることを目的に作られました。
書体ごとに「かな明朝体」「かなゴシック体」「かな丸ゴシック体」「かなデザイン書体」「かな筆書体」があります。
リュウミンの場合は標準の「リュウミン大がな (KL)」に対し、小ぶりなプロポーションの「リュウミン小がな (KS)」、「リュウミン オールドがな(KO)」。
KSでは漢字とのサイズの差が生まれるので可読性があがり、KOは流麗な筆書きのスタイルでより優美さを演出できます。
各かな書体は想定されている組み合わせの書体があり、モリサワの書体見本で確認できます。
例えば、かなゴシック体の「ネオツデイ KL/KS」だと新ゴ用。
「ネオツデイ 小がなの特徴」
かなデザイン書体の「ほなみ」はリュウミンKL、モアリア、教科書体用など。
「ほなみの特徴」
(13) UD書体
UDとは「ユニバーサルデザイン」の略。
「ユニバーサルデザイン」とは文化や性別、年齢、能力に問わず誰にでも適していることを志向したデザインのことです。
モリサワのUD書体はこの考え方に基づき、特に「文字のかたちがわかりやすいこと」「文章が読みやすいこと」「読み間違えにくいこと」をコンセプトに開発された書体です。
タイプバンク、ヒラギノにも、代表的な書体を元にしたUD書体があります。
普通の書体との具体的な違いは各サイト参照。
特にモリサワのサイトとサイト先でDLできる「UD書体頒布用カタログ」はわかりやすいので、UD書体を使う前には一度目を通しておくと良いと思います。
(14-16) 学参書体
学参書体はモリサワのみ。「学参書体」「学参かな」「学参欧文・数字」があります。
常用漢字・かなについて、文部科学省の「学習指導要領」にある「代表的な字形」に準拠したフォントです。
通常、書体によって異なる「はね」「押さえ」「とめ」なども共通のデザインになっているため、教科書や学習参考書、絵本、子ども向け出版物や玩具などの文字にも適しています。
(17) 筆順書体
教科書の漢字の書き順を示すのに使われる(完成された文字ではなく、書き順ごとの形の)書体。
普通のデザインで使う機会はないでしょう。
筆順フォントとは、学習指導要領に沿った字形「学参 教科書ICA」を、書き順に沿ったストロークごとに一文字として文字を書いていく過程をフォントに収録しています。
一画ずつ分けた書き順を表せる書体と、一画ずつ加えた形で書き順を表せる書体があります。
(18) 欧文書体
欧文書体はタイプバンクの「本明朝‐Book」用に設計された専用の書体が4種20書体用意されています。
「本明朝‐Book」とは本明朝の流れを踏まえ、判別性と可読性の向上を目的に開発された書籍専用書体です。
「Book(標準がな)/Book(小がな)/Book(新がな)/Book(新小がな)」があります。
(19) 記号書体
記号書体はモリサワの「地紋・罫」があります。
「地紋・罫」は印刷色数の少ない新聞や広報誌などで組版にアクセントをつけるために利用されてきた装物をフォント化したものです。
利用するにはIllustrator、InDesignの「字形パネル」から1文字ずつ入力します。
自分はCS6なのでフォトショに字形パネルはないんですが、CCだとあるようなのでフォトショでもできるかもしれないです。
(20) 数字書体
モリサワの様々な数字書体が224書体利用できます。
それぞれに縦組み用、横組み用があり、数字の他に価格表示に使用する「円」や「,」「¥」といった記号が含まれます。
「くいこみ数字」はチラシの価格表示でよく見る数字同士が重なり合ったような数字の書体。
利用するにはIllustrator、InDesignの文字パネルの「Open Type機能」→「前後関係に依存する字形」のチェックを入れ、合字を有効にします。
⑤ー1 言語・文字カテゴリ ーウェイトについて
ウェイトは文字の太さのことで、書体名の後にアルファベットや数字で表されています。
書体によって用意されている数が違い、書体やメーカーによって名称も異なります。
基本的にウェイトが一つのものは表記がありません。
モリサワのウェイト
基本的にウェイトの表記はアルファベットで示されていて、下に行くほど太さを増します。
- EL = ExtraLight
- L = Light
- R = Regular
- M = Medium
- DB = Semibold
- B = Bold
- EB = ExtraBold
- H = Heavy
- EH = ExtraHeavy
- U = Ultra
そのまま「Ultra」いう表記もあり、数字で表されてるもの(「じゅん 101/201/34/501」)もあります。
モリサワには、グラデーションファミリーという概念もあり、「黎ミン」がグラデーションファミリーで構成されています。
「グラデーションファミリー」はモリサワ独自の概念で、従来のウェイトの違いに加えて、もう一つ別の変化軸を加えたもの。
「黎ミン/Y10 / Y20 / Y30 / Y40」は「黎ミン」を基準に横線を段階的に太くデザインした5つのグラデーションファミリーです。
タイプバンクのウェイト
タイプバンクは基本はモリサワと同じアルファベットです。
「RoナウStd-MM」と「RoナウStd-GM」では末尾の「M」がウェイト。
その前の「G」と「M」がややこしいですが、これはウェイトではなく「ナウG(ゴシック)」「ナウ明朝」のGとMです。
「良寛」「行成」といった仮名書体の「GB / MM」も「ナウゴシック用 Bold/ナウ明朝用 Medium」という意味。
「L」より細いウェイトが「EL」ではなく「SL」だったりしますが、上から細い順で並んでるので特に迷わないと思います。
タイプバンクのウェイトの後に「M2」など2がついてるのは、下記の理由から。
かつて写植用書体として開発されその後デジタル化した際に、写植用書体からのデジタル化ではなく新規に設計している書体には「II」がついています。
ヒラギノのウェイト
ヒラギノはウェイトの「W」のあとに、「W0 ー W8」と数字で示されていて、数が大きくなるほど太くなります。
⑤ー3 言語・文字カテゴリ ー準拠している規格について
規格については2つのポイントがあります。
1つ目は「Std/Pro/Pr5/Pr6」の違いと、もう一つは「Pro/ProN」といった「N」の有無の違い。
「Std/Pro/Pr5/Pr6」の違い
Adobeは日本語フォント製品用に「Adobe-Japan1」という文字セットを規定しています。
文字セットとはコンピュータで文字を扱うために必要な「そのセットにはどの文字・数字・記号を含めるか」について定めた定義のこと。
文字セットによって含まれる文字・文字数が変わってきます。
「Adobe-Japan1」の定義は順次拡張されていて、「Adobe-Japan1-1,-2,-3」といった枝番で識別されます。
現在の最新のバージョンは「Adobe-Japan1-6」。
「Std/Pro/Pr5/Pr6」とはその「Adobe-Japan1」のどの規格(枝番)に準拠しているものかを示しています。
つまり、「Std/Pro/Pr5/Pr6」によって、収録されている文字数が違うということです。
- Std (Adobe-Japan1-3) -9,354字
- Pro (Adobe-Japan1-4) -15,444字
- Pr5 (Adobe-Japan1-5) -20,317字
- Pr6 (Adobe-Japan1-6) -23,058字
OS Xのヒラギノ書体に関しては「Pro」がつくと、「Adobe-Japan1-5」に準拠したフォントを指します。
複数の規格があった場合、特段理由がなければ、新しい規格をインストールすれば問題ないでしょう。
「Pro/ProN」の「N」の有無の違い
文字セットには「Adobe-Japan1」の他にも「JIS(ジス)」という公的規格があります。
「JIS」では字形を定めており、JISの規格表に定められた字形を「例示字形」といいます。
フォントには「JIS90」字形対応や「JIS2004」字形対応のものがあり、「N無し」は「JIS90」字形対応、「N有り」は「JIS2004」字形対応フォントを指します。
具体的にいうと、「JIS2004」では168文字の例示字形が変更され、Nの有無で一部の漢字の字形が異なるということです。
(168文字全て変更されているわけではなく、書体や漢字によって変更したものとしていないものがある)
これからは「JIS2004」字形対応の通称「Nフォント」が主流になっていくと考えられるので、「Nフォント」をインストールしておけば問題ないでしょう。
ただ、過去の制作物と合わせる場合などは確認が必要です。
⑤ー4 言語・文字カテゴリ ーその他の違い
上記以外の疑問に思いそうなポイントについての説明です。
また、選択メニューの一番下の項目には「文字セット」があります。
説明した「Std/Pro」等以外に「ミニセット」と「U-PRESS」という用語があるので、それもここで説明します。
「ミニセット」とは
「Adobe-Japan1」に準拠する、モリサワ独自の文字セットです。
文字セットなので、ポイントになるのは収録文字数。
名前からわかるように、収録文字数は日常的に使用される3,823文字と他と比べると少なめです。
ミニセットは収録文字数を抑えることで、幅広いニーズに対してより早くフォントを提供することを目的に開発されたということです。
インストーラーのフォントメニュー名では表記の違いはなく、アプリではフォント名の後に「Min」とついています。
「U-PRESS」とは
共同通信社が定めた独自の文字コードのことです。
「文字コード」とは、コンピューターでフォントを扱うため、文字一つ一つに番号を割り当てる規格のこと。
キーを打つと、OSはその番号を元に文字を呼び出します。
違いは収録文字数と一部の漢字の字形です。
モリサワの「U-PRESS」対応書体の収録文字数は「15,257文字」。
フォントメニュー名では「Upr」となっています。
ちなみに「U-PRESS」にチェックを入れると、各かな書体も表示されます。
「AP-OTF」とは
モリサワのOpen Typeフォントの中には一部「AP-OTF」という表記のものがあります。
「A-OTF」との違いはペアカーニング情報の搭載の有無で、「AP-OTF」は搭載されたフォントになります。
「ペアカーニング情報」とは隣り合う文字の組み合わせごとに設定された文字詰めの情報のこと。
ペアカーニング情報が搭載されていると、「Ty」などの場合「T」と「y」が従来より詰められた最適な状態の文字組みになります。
「AP-OTF」は2014年からリリースされ、今後は既存のフォントも「AP-OTF」で再リリースが予定されており、モリサワのスタンダードになるということです。
「コンデ」とは
「コンデ」とは「コンデンス書体」の略。
「コンデンス書体」とは基準となる書体の横幅を狭く設計された書体のことです。
コンデンス書体には【入力時から変形されているもの】と、【入力後自分で水平比率を変えるもの】の2種類があります。
前者にはモリサワの「UD新ゴ コンデンス90/80/70/60/50」があり、数字は水平比率を表しています。
後者にはタイプバンクの「タイプバンクゴシック -標準/C6/C8」があり、C6は水平比率を60%に、C8は80%にすることを前提に設計されています。
「見出」とは
「見出ゴMB1」などの「見出」は「見出し用」フォントを表しています。
フォントは長文用に適している「本文用」とアイキャッチ等に使用する「見出し用」に大別されます。
本文用は小さい文字での使用を想定しているので、様々なサイズに対応していますが、見出し用は大きめのサイズでの使用が前提なので、小さすぎると線が潰れてしまうので注意が必要です。
「秀英明朝 / 秀英横太明朝」
文字通り「秀英横太明朝」は「秀英明朝」の横画を太くしたもの。
視認性の向上を目的としたもので、ディスプレイでの表示や弱者向けの出版物向けにデザインされています。
「秀英初号明朝 / 秀英初号明朝 撰」
「秀英初号明朝 撰」は「秀英初号明朝」の一部の漢字を旧字形にしたものです。
「秀英3号/5号」
リュウミン用のかな書体で「3号/5号」はウェイトの違いではなく、字形の違いです。
サイトから特徴を引用すると、
- 「秀英3号」
- 「伝統的な筆法でありながら古さを感じさせることなく、生き生きとした表情」
- 「秀英5号」
- 「ほっとするようなあたたかみのある、ノスタルジックな味わいを醸し出します」
「アンチックStd AN/AN1/AN2/AN3/AN4」
アンチック体はゴシック体漢字に合わせる用の太かなとして開発されたと言われ、漫画の吹き出しなどで用いられているかな書体です。
「AN」のみ7つのウェイトを持っていて、「AN/AN1/AN2/AN3/AN4」はそれぞれ字形の異なる書体です。
「ヒラギノ明朝横仮名」「ヒラギノ角ゴAD仮名」「ヒラギノ角ゴPack仮名」
「Pack」は「ヒラギノ角ゴパッケージ用仮名」でパッケージの略ですが、「AD」は何でしょう。「advanced」とかですかね?
- 「ー横仮名」
- 「ヒラギノ明朝体の横組適性をさらに高めた、横組専用の仮名書体」
- 「ー角ゴAD仮名」
- 「横にも縦にもフラット&スマート」がコンセプト。知性的なそのフォルムは、高級指向の広告・カタログ・雑誌からビジネス文書まで、さまざまな用途に適応するオールラウンド設計」
- 「ー角ゴPack仮名」
- 「ヒラギノ角ゴの仮名の濁点と半濁点を大きくデザインした書体」
さいごに
初めてモリサワパスポートのインストールの際に疑問に思いそうな点をまとめてみました。
自分はWebデザインをやっていますが、実際厳密な知識がなくてもあまり問題はないし特に困ることもないです。
それでもインストールする際は予備知識がないと結構迷うので、この記事でザッと全体的な違いを確認してもらえたらと思います。