男性デザイナー必読。「ネットで『女性』に売る」レビュー

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「ネットで『女性』に売る 数字を上げる文章とデザインの基本原則」(谷本理恵子 著)を読みました。

一番の目的は、Webデザインをやっているので(+男のデザイナーなので)、主にデザイン面の参考にするため。
ただ、ライティング含め、広く女性向けサイトのために意識すべきことを知りたいと思って購入しました。

最初にザックリ星評価を書くと★4つ。
やはり女性向けに特化した内容なので、目からウロコの発見が沢山ありました。

良かった点、イマイチな点と、デザイン面で参考になったところを3つほど紹介します。

「ネットで『女性』に売る」の内容

著者は通信販売業界で女性向け商品を「売るための文章」を書き続けてきたセールスコピーライター。
本書ではその中で培った女性向けアプローチの方法を全5章39の法則に分けて説明しています。

主旨をプロローグから抜粋。

セールスコピーライターとして「女性に響く」見せ方や書き方を追求していると、女性と男性では異なる「常識」があるとハッキリ感じる瞬間があります。

ビジネスの場では、その感覚的な女性たち特有のリアルな購買心理を、すべて言語化してしなければいけません。

そして、何とかうまく体系化できないかと試行錯誤する中で、ようやく辿りついたのが、誰もが知っている「シンデレラ」の世界だったのです。

もし女性に商品やサービスを売りたいのなら、このシンデレラが抱いているのと同じ「気持ち」を活用すればうまく行く、というのが経験と実績からたどり着いた私の考えです。

シンデレラをはじめ、女性が憧れるストーリーのキーワードは「本来の自分を取り戻す」
その心理を元に売り方を考えるというのがこの本のコンセプトになってます。
(全部が全部この考えが元になってるわけではないですが)

一方、男性の場合は「憧れの自分に近づく」
抽象的な表現かもしれないけど、確かに理解できるし、こういった違いから女性と男性のアプローチの違いを説明しています。

デザイン面で参考になったこと・考えたこと

主に1章2章がデザイン関連の内容になってます。
特にハッとさせられたのは次の3つ。

  • ① 法則05 「女性はそもそも『悩んでいない』」
  • ② 法則07 「色の微妙な違いを意識する」
  • ③ 法則09 「理想の自分は金髪の外国人」

① 法則05 「女性はそもそも『悩んでいない』」

女性は「本来の自分はお姫様」という感覚があって、具体的に悩み(現実)を直視してるわけでも、したいわけでもない。
そのため、辛い現実を実感させる・突きつけるようなアプローチはNGということです。

よくLPで「こんなお悩みはありませんか?」とネガティブなイメージと合わせて問いかけるパターンがありますよね。

そういう場合、マイナスイメージは強ければ強いほど、具体的であれば具体的であるほど効果的だし、それがデザインの役割だと思ってました。

でも、そうとは限らない。オブラートに包んだ方が有効、という考えも頭に入れておきたいと思いました。

② 法則07 「色の微妙な違いを意識する」

女性向けの色といえばピンクですが、そのピンクも寒色系から暖色系まで様々。
男性デザイナーがピンクというと寒色系を選びがちだけど、一般的に女性に好まれやすいのは暖色系。

そして、普段口紅などで微妙な違いのピンクを見慣れている女性は、男性以上にピンクのトーンの違いに敏感、というのが法則07の内容です。

これも納得ですね。
男性がイメージするピンクはいかにもピンクっぽい派手めなトーンというのもわかります。

もっと言うと「その色を好む層はその色のトーンの違いに敏感」と言うのは「女性=ピンク」に限らず言えるでしょう。
改めて配色は慎重に調整すべきだと思わされました。

③ 法則09 「理想の自分は金髪の外国人」

これは前から疑問に思ってたことでした。
「ビジュアルイメージは日本人か外国人か、どちらの方がいいのか?」
「化粧品の広告は外国人のモデルも多いけど、何か理由があるのか?」

著者はその理由について、「シンデレラ」説を元に
女性が思い描く「本来の自分」は日常の自分というわけではない。
ここにはいない完璧な理想像の方に「本来の自分にふさわしい」と言うリアリティを感じる。
と説明しています。

これは女性じゃないので、「そういうものなのかな」と。
ただ、そもそも「外国人モデルを使うと売り上げがアップする傾向がある」と書かれていて、それ自体初耳だったので勉強になりました。

「ネットで『女性』に売る」のイマイチな点と良かった点

それぞれいくつか箇条書きでまとめます。

イマイチだった点

これといって気になったのは次の一点だけでした。

  • 女性向けに特化していない内容も結構含まれる

ライティング・セールス関係の参考書は多いですが、「女性向け」に絞ってるのはかなり少ないです。
(自分がパッと思いつくのはこれくらい)
その分、読者の期待も「女性向けのノウハウが知りたい」に絞られていると思います。

でも、対象が男女の「普通」のノウハウも少なくありません。

割合で言うと、女性向けに特化したノウハウと男女共通のノウハウは半々くらい。
これが多いか少ないかは人によるだろうし、全くの初学者には、一般的なノウハウも網羅されてた方がありがたいと思います。

個人的には一般的なノウハウは知ってることが多かったので、ちょっと物足りないポイントでした。
あと贅沢を言えば、もっとグラフィック面のポイントがあったら嬉しかったです。

良かった点

  • ① 「女性の心理はシンデレラ」と一言で切り取った表現
  • ② 簡潔なボリュームで実践で使える内容
  • ③ 特に男性には目からウロコな発見・発想がある

特に秀逸だと思ったのが、女性の心理を「シンデレラ」に例えて、それを元に各論の説明をしていたこと。
この表現があるだけで、伝わりやすさや読後の記憶の残りやすさがグッとアップしてると思います。

②は各法則が3〜4ページでまとめられていて、数時間でサクッと読めます。
それでいて十分実践に落とし込める内容になっています。

③は上ですでに3つ紹介したような内容です。
この辺は男性は考えても分からないので、こう言うコンセプトの本はありがたいです。

さいごに

「ネットで『女性』に売る」のレビューでした。
総合的には星4なので十分オススメできる内容です。

特に入門書として、適度なボリュームで女性向けセールスの根本的な考え方を身に付けたいと言う男性には最適な一冊だと思います。

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