【未経験からWebデザイナーになるには】独学か?スクールに通うべきか?

自分は30を超えて実務未経験からWebデザイナーになりました。
その経験をもとに、これから志望してる人の参考になりそうなトピックについて書いていきます。
『【未経験からWebデザイナーになるには】目次』
今回の内容は【Webデザインの勉強は独学か?スクールには通うべきか?】
結論を言えば、どちらでもOK
Webスクールというのは、パッと検索して出てきたところだとこの辺りのイメージ。
Webデザイナーを目指し始めたら、こういった学校に通うべきか、一度は迷う悩みだと思います。
結論から言うと、必須というわけでは全然ないです。
やはりスクールに通ってても自分のやる気と行動の方がはるかに物をいいます。
スクールの力:自分の力 = 10 : 90 くらいですかね。
といいつつ、自分は民間のWebスクールに通いました。
(あとで述べますが、この『10』は独学では得られない、小さくはない『10』だと思います)
スクールにもやはり利点とそうでもない点、両方あります。
なので、実際自分が通ってみて感じた両方のポイントを振り返ってみたいと思います。
Webスクールのイマイチなところ
ある程度一般的だと思う点から。それでも個人的経験に基づいてるので参考程度にしてもらえたらと。
① Webスクールでは『デザイン力』はつけられない
完全には言い切れないところもありますが、これは根本的な問題としてあるかと思います。
最初はきっと
『Webスクールはデザイン力UPに力を入れてる』
『デザイン力を上げるためにスクールに通いたい』
と思われてる方が多いはず。
自分も先入観からそう考えてました。
でも、Webスクールはデザインや制作の基礎的な知識とコーディング、プログラミング、グラフィックソフトの基礎技術の習得がメインになります。
そして、それは参考書でも十分学べるものです。
自分の場合はデザインの授業は本当に概論的なセミナーが2、3日あるだけでした。
(絶対参考書の方が親切で詳しい。)
タイポグラフィー・配色・レイアウトを数日。
浅く広く表面を撫でただけで、『デザインってそういうもんなんだ』と思って終わりです。
デザイン力が一番つくのは、色んなサイトを沢山作って沢山の人に何度もダメだしされるという地道な実践です。
数年それを繰り返して、やっとある程度安定してプロレベルのデザインがアウトプットできるようになる感じかと思います。
それはWebスクールでの限られた時間では厳しいです。
普通に考えて段階というものがありますし。
最初は基礎知識と、それらしいサイトを作るところまでで手一杯。
(それだけでも十分大変なボリュームの知識が必要です。)
Webスクールはその助走段階の学習を補助してくれるものと捉えた方がいいでしょう。
繰り返すと、それは独学でも十分可能です。
デザイン力の方が独学だけでは上げにくいのに、全体の比重が小さいのは(仕方ないとは思いつつ)イマイチなポイントだと思います。
② 制作者としてプロでも、講師としてプロと言えるとは限らない
これも全否定しているわけではなく、補足が必要ですが。
特に受験の予備校にも通っていた経験から、その講師陣のレベルと比べて思ったことです。
今考えると、それも当然というか、仕方ないとも思います。
予備校の講師は講義の内容も問題の答えもある程度決まってます。
キャリアを積んだ分だけ、インストラクターとして成長できます。
でも、Webの世界はガラッと変わります。
デザインのテイストから技術から、本当に『日進月歩』を体感させられます。
自分がスクールに体験入学した際は、コンサルタントに『これからはFlashの勉強が必須です!』と言われました。
数ヶ月後、入学する頃にはappleがiphoneでflashを廃止して、あっという間に無用の知識に成り果てました。
また、当時jQueryが普及し始めてたため、それのスマートフォン用のライブラリ『jQuery mobile』がカリキュラムに組まれてました。
実務について数年。これまで一度も『jQuery mobile』を見たことありません。
今後流行るかもと講座に取り入れたんでしょうが、じゃあ講師は現場でバリバリ使っていたかというとそんなことはなく、詳しいわけでもなかったでしょう。
一人の講師に『jQuery mobile』のそこまで込み入ってない質問をしたら、他の講師に聞きに行って二人ともわからないということがありました。
それも今思うと仕方ない気もします。
予備校の講師は皆プロだったのに対し、Webの場合は制作者としてはプロだろうけど、インストラクターとしては『?』と思う場面がしばしばありました。
少なくとも『jQuery mobileのプロ』と言える講師はあの時一人もいなかったでしょう。
そして、自分がWebスクールを出る頃には、新たに『フラットデザイン・レスポンシブ』の波が到来。
その辺は結局一から独学で勉強したし、同じ頃、同じように講師も基礎から勉強してたことと思います。
最初は『プロのWebデザイナー』というと雲の上の存在みたいに思えるかもしれませんが、今HTML5やレスポンシブを教えてる人も、ここ数年で身につけた知識ということです。
そういう意味で『何でも知ってる』『教えてもらえる』みたいな過度な期待はしない方がいいと思います。
③ スクールの教科書・講座の内容も参考書以上ということはない
むしろ参考書やネット記事の方が充実してるし、情報も早いと思います。
(最初は書籍で体系的に、その後ネットで断片的に知識を補充していくのがオススメ)
『テキストはスクールオリジナル』を謳ってたけど、オリジナルの優位性は特に思い浮かびません。
というか、Wordpressの授業に関しては、定番のWPの参考書を教科書にしてました。
特に今は無料/有料の動画サービスも充実しています。
独学でも十分すぎるほどの情報が溢れています。
それを自分で使いこなせるかが実務に就いてからも重要なポイントになります。
個人的にWebスクールのイマイチだったところ
これは一般的ではないかもしれない、自分が通ってたスクールのイマイチだったポイント。
① マンツーマンも本当に講師を独り占めできるわけではない
自分が通ってたスクールは『マンツーマン指導』を謳っていたところでした。
でも実際は、講師の倍以上の生徒に2、3人の講師(だいたい2人)という状況。
一回質問するにも相当気を使うような環境でした。
カウンセラーが無料体験の生徒を案内している時に、『講師が常に3、4人いて』と多めに説明して『…』となりました。
② 他の生徒との接点がない
スクールの利点として、他の人との繋がりができるというのもあると思います。
でも講師との『マンツーマン』だと他の生徒と話すきっかけもありません。
結局、セミナーで隣の人と少し話すくらいしか接点はありませんでした。
③ 途中で通ってたスクールの分校が閉校
これ言うとある程度特定されそうですが。
それまで通っていた最寄りのスクールの分校が閉校して、遠い分校への通学を余儀なくされました。
通った半分の期間は、交通時間と交通費が倍。
予想外の出費でした。
気をつけようがないけど、どこのスクールでもありえることです。
④ 転職が保証されるわけでも、サポートが手厚いわけでもない
履歴書・職務経歴書を個人的に添削してもらったり、業界の動向みたいなセミナーは受けられました。それ自体は役に立つものでした。
ただ、直接求人を紹介してもらうなどはありませんでした。
これはアラサーだったからかもしれません。スクールには求人票がそこそこ貼ってあったりしたので。
その後、自力で就業してからも特に卒業後の確認もされず、講座終了後まで面倒をみるというスタンスではないと感じました。
Webスクールのメリット
出典 : Designed by Freepik
一般的に言えそうな大きなポイントを2つ。
① 実際制作したものをレビューしてもらえる
これが一番のポイントだと思います。
スクールは『基礎的な知識がメイン』と書きましたが、卒業制作などで制作物を見てもらう機会もあると思います。
自分はそこで、数人の講師の方に熱心にダメだしされたのが本当にためになりました。
作る方もテキトーだと講師も言わないかもしれませんが、
(半年かけてTOPを作り終えない生徒の話を聞いたら、特に修正指示はされたことないらしい。。)
自分はこれで就活の可否が決まるので、実力以上のものを作るつもりで作ってました。
それに対して、講師の方も同じ箇所を7回位NG出してきたり、本気で見てもらってると感じました。
架空の習作で一箇所を7回も戻すって普通はないです…。
あれは今思い出してもしんどかったし、でもあれだけでもレベルアップを実感しました。
知識面においては網羅しきれないことはあっても、デザイナーとして『デザインが製品として一定のレベルに達してるか』見定める目は確かです。
その目で自分で作ったものを見てもらえるというのは、独学では得られないものです。
周りの知人に見てもらえたとしても、それはあくまでも素人の感想。
(素人の視点もそれはそれで重要ですが)ステップアップするにはプロの視点が絶対必要です。
自力で至らないポイントに気付けて、自分の意思で何度も作り直すというのは相当難しいことです。
(技術的にも精神的にも普通の人にはたぶん無理)
その点だけでも通えるなら通った方がベターだと思います。
なんなら制作物のレビューに特化した講座があればいいんですけどね。
あれば今でも通いたいです。
『製品として通用するか。どこが足りないか』などのプロの視点のアドバイスをもらったり、現場のノウハウを吸収するつもりで通うと、スクールは有意義なものになると思います。
② なんだかんだ初心者にとって、勉強の効率と精度を上げられる
特に自分は20中盤まで完全にPC音痴でした。
パソコン自体ほとんど触らない人間だったので、基本的な操作すらほぼできない状態。
(『CPUとメモリ』の違いもわからなければ、オフィスソフトも扱えない。)
そういう人間が独学だけで、HTML/CSSなどのマークアップ言語、javascript/WordPressなどのプログラミング言語、Phothoshop/illustratorなどのグラフィックソフトまで学んでいくというのはなかなか大変です。
そういう状況で、勉強のサポートしてもらえる環境が役に立たないわけがありません。
人から直接話を聞ける、教えてもらえるというのは有難かったです。
また、あまり『安心を買う』みたいのはどうかと思いますが、精神的にも『スクールに通ってる』というだけで安心できる部分がありました。
その他のWebスクールのメリット ー自分がスクールに通った理由
その他のメリットや自分がスクールに通うことにした理由もご紹介します。
① Adobeソフトのアカデミック版が購入できる(できた)
今の事情はあまりわかりませんが。
その時はadobeソフトはパッケージ版(CS6)で、特定のスクールに通っているとアカデミック版が購入できるというシステムでした。
(25万位の『Design & Web Premium』が10万位になったのかな…確か)
『15万浮くし、その分を受講料に回せるから』と考えたのも大きな動機でした。
今は、月額制になったので手を出しやすくなったんじゃないでしょうか。
② 1%でも可能性を上げることを考えて
自覚的にこう思っていたのを覚えてます。
今まで書いてきたように当初は右も左もわからないし、一応『未経験可』のWebデザイナーの求人に応募しても書類すら全く通らない状況でした。
『アラサー未経験でwebデザイナー』というは、今でも結構厳しいハードルだと思ってます。
当時はそのハードルの高さすらよくわからない状況でした。
その中で『1%でも可能性を上げたい』という心境が通学への一番の後押しになったと思います。
スクールの卒業制作をメインにしたポートフォリオで、ようやく面接という土俵に上がれるようになったので、十分1%以上は可能性を上げてくれたと言えます。
具体的にどこがどれだけとは言いにくいけど、実際、通ってなかったら同じ期間で同じ進歩があったかというと自信はありません。
『自力:スクール = 10 : 90』といっても、1%でも可能性を上げたい人間からしたら凄く大きな『10』です。
③ 無料相談・体験入学でプロのカウンセラーの話が聞ける
これはスクール全般の話です。
どこのスクールもたいてい体験入学や無料相談ができます。
右も左もわからない初心者であれば、プロのカウンセラーに業界の話や自分の悩みを相談できるのは、それだけでも貴重な体験。
自分は体験入学・無料相談に5校くらい行きました。
2回話を聞きに行ったスクールもあります。
それはどこに入校するか迷っていたというより、できるだけプロのカウンセラーの話を聞いて方向性を見定めたいという気持ちからでした。
年齢がいってると無駄に遠回りしてる時間はありません。
そういう使い方ができるのも、スクールのメリットの一つだと思います。
④ 就活の際のアピール材料になる
そこまで大きな期待はしてませんでしたが。
でも、面接官が『やる気』をはかる尺度にはなるんじゃないかという期待もありました。
なんにしろ『形』を見せるのは大事です。
少なくない金額を実際出して、少なくない期間通って卒業した、というのはモチベーションの大きさを伝える、立派な形だと思います。
最近はわからないけど、その時は『スクール卒なら応募可』という求人もちらほら見かけました。
まとめ
自分の経験からWebスクールの利点とそうでもない点をまとめました。
絶対必要かというとそうでもないけど、メリットも十分あると言えるかと思います。
最近は数年前はなかった形態の講座・スクールも増えてきました。
上で挙げたドットインストールやスクーなどの動画サービスもまだなかったです。
色々選択肢も増えて、迷うところもあるかもしれません。
でも、最初の1歩目はとにかくまず情報を集めて、『Webデザイナーになるまでの過程の全体像』を見渡した方がいいです。
その部分は自分の頭だけで考えても仕方ないですから。
この記事もその一つとして参考にしてもらえたらと思います。
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