女性ファッション誌にみるデザインの作法

女性ファッション誌にみるデザインの作法

とある事情で女性ファッション関連のデザインを勉強するため雑誌を数冊購入。
各誌で共通で見られたデザインがあったのでまとめてみました。

女性ファッションに共通で見られるデザインのポイント

箇条書きと画像で14個のポイントを挙げていきます。
(画質いまいちでスミマセン)

1. 手書きのフォント/筆記体

筆記体や手書き感のあるフォント。フォントではなく、実際書いた文字を使用していそうなものもありました。
そういえば日本語の手書きは見ない気がします。

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2. カッコ(クオテーションマーク/{} )を利用したあしらい

「」、【】、〔〕、〝〟など色々なカッコをアレンジしたものが。

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3. 吹き出し

吹き出し自体はどこでも見ますが、手描き感があるとグッと女性誌っぽくなります。

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4. 数字

自由なレイアウトの中で内容の一まとまりを示す行頭記号のような役割もあると思います。
あまり可読性が求められてない事もあり、遊び心を感じる表現が多いです。

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5. アンダーライン

見出しでよく見るマーカーを引いたようなあしらい。

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6. 『 / 』を使った台詞っぽい表現

これはハンバーガーボタンやパンくずみたいな通称はあるんでしょうか。tagならemで囲むようなテキストに使われてます。

(後日談:DTP経験のある方が「あのヤッホーみたいな」と言っていたので通称はないっぽい。でもそれでピンときたので「やまびこ」なんか良い気がしますね。)

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7. 『 × 』

2つの要素を掛け合わせていることを表現。使い勝手のいい表現で、あるとなんとなくオシャレ感も増します。

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8. 縦ラインの横書き文字

これはwebではあまり見ない気が。手書き文字との合わせ技のものなんか読ませる気ゼロで完全に装飾目的と思われます。

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9. 円背景

表紙でもよく使われてます。

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10. 二重罫線

よく見ると内側が太く、外側が細いパターンもありました。

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11. 立体感

リアルな立体感ではなく、フラットな立体感という感じなのでwebとの相性も良さそう。

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12. 一部の文字色/フォントウェイト/フォントファミリーを変える

フォントウェイトのboldとlightを組み合わせたものはロゴなどでもよく見ます。

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13. 文字をアーチ状に変形

楽しさや賑やかさ、可愛らしさを演出。

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14. ベタの背景に白抜きの文字

あまり余白を多く取らないのがポイントのようです。

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まとめ

そもそも女性ファッション誌はもちろん、雑誌自体ほとんど読むことがないので、色々と新鮮で勉強になりました。

特に数百ページという分量からして新鮮な衝撃を覚えて。webではなかなかないですからね。
しかもファッション誌なのでオリジナルの写真素材が大量に使われていて、それが凄く贅沢に感じました。

上記に挙げた装飾のパターンはイメージ通りと言えばイメージ通りで、どこかで見たことはある表現でした。
共通点を挙げると、どれも力をいれて作り込んだような装飾ではなく、『ほんの一手間』アクセントで加えたという感じのものが多い。
そして、その各あしらいを組み合わせて膨大なページの多様なデザインを作り上げてます。

作り手側の視点で言えば、必要最低限の労力で効果的なデザインをしていて上手いなーと思いました。

毎月何百ページも作るから手間をかけすぎられないし、かといってファッション誌なので味気ないデザインではいけない。
そんなジレンマから作り上げられてきた一種のシステムのように感じます。
(ファッション誌熟読した後に、webデザインの雑誌読んだら味気なく感じました)

別の見方をすると、そのパターンの組み合わせだけでモードからカジュアル、クールからPOPまで様々な雰囲気を演出できるということで、考える程によくできたシステムだなと。

また気付いたポイントがあったら、追加していきたいと思います。

●参考にさせてもらった雑誌

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